エテリ組ドーピング疑惑の5つの理由!ロシアの薬物問題&過去の不正選手とは?

北京オリンピックの女子フィギュアスケートでカミラ・ワリエワ選手のドーピングが問題となっていますが、ワリエワ選手が未成年ということで、世界反ドーピング機関(WADA)はコーチであるエテリ・トゥトベリゼ氏やチームドクターを調査するとの方針を発表しました。

エテリ組では過去にもドーピング問題があったとされており、サンボ70のコーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏に疑惑が集まっています。

ワリエワ選手が検査陽性でドーピングが発覚した後も、当事者であるエテリ・トゥトベリーゼコーチは沈黙を貫いており、「鉄の女」としての異名を強めていることは事実です。

さらに調べてみると、ロシアとドーピング(違法薬物の使用)には深い関係があることがわかりました。

そこで今回の記事では、エテリ・トゥトベリーゼ氏にドーピング疑惑が集まる理由や、過去にドーピングしたエテリ組の選手ロシアとドーピングの関係について詳しく解説していきます。

エテリ組のドーピングが話題

エテリ組はドーピングをしている?

エテリ・トゥトベリーゼ氏は、ロシアのトップアスリート養成機関であるサンボ70のコーチです。

エテリ・トゥトベリーゼ氏がコーチを務める選手たちは、フィギュアスケート界で「エテリ組」と呼ばれています。

今回、ワリエワ選手のドーピング違反問題が発覚したことにより、コーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏が薬を飲ませていたのではないか?と考えられているようです。

エテリ組のドーピングはコーチの責任?

WADAは16歳未満の選手に対して、柔軟な対応を取るべき「要保護者」と位置付けていますので、ドーピング問題の責任はワリエワ選手本人ではなく、コーチや支援スタッフなど周囲の大人の管理不足にあたるという認識をしています。

WADAは16歳未満の選手を、柔軟な対応を取るべき「要保護者」と位置付け、違反の場合は支援スタッフを調査すると規定している。

(引用:毎日新聞)

そもそも、15歳の少女が自発的に違法な薬物を摂取するとは思えないというのが専門家の意見です。

そして、ワリエワ選手のドーピング発覚後に、エテリコーチがドーピングに陽性が出たことに関して言及を避けているということも怪しいといわれる原因です。

数々の名選手を育て上げた「鉄の女」は口をつぐんでおり、批判の対象となっている。

エテリコーチは全てを知る立場であることは間違いないにも関わらず、選手の無実を証明するようなコメントすらしていないというところにも疑問を感じます。

では、なぜエテリ組の選手たちがドーピングをしているといわれているのでしょうか?

エテリ組にドーピング疑惑が持たれる理由は?

現在、ワリエワ選手のドーピング陽性を受けて、エテリ組でのドーピング疑惑が浮上しています。

ドーピングが疑われる理由として、

  1. 過去にもドーピングがあった
  2. 若手の選手が活躍している
  3. エテリ組卒業後の成績不振
  4. 異常な強さ
  5. ドーピングを認める発言

という5つが挙げられていますので、詳しくまとめました。

エテリ組のドーピング疑惑①ドーピングが2度目

エテリ組にドーピングの疑惑が持たれている理由は、過去にコーチとして指導していた選手がドーピング検査で陽性だったからでした。

以前にも、エテリ組でドーピング検査に引っかかり処分された選手がいたので、ワリエワ選手はエテリ組でドーピングをした2人目選手ということになります。

そのため、選手個人の意思ではなく、組織的にエテリコーチが選手に対して、パフォーマンス力を向上させることを目的として薬を飲ませているといわれています。

エテリ組のドーピング疑惑②若手選手の活躍が目立つ

エテリ組のドーピングが疑われる理由の2つ目は、未成年若い選手が活躍が目立つからです。

WADA(世界反ドーピング機関)は16歳未満の選手を柔軟な対応を取るべき「要保護者」と位置付けているため、若い選手に対してはドーピングに関して厳しい処分ができないそうです。

今回も、ワリエワ選手の大会出場続行が決定しているのもそのためと言われています。

若い選手をメインに育てているのは、ドーピングを行なっても厳しく処分されないからだといわれています。

エテリ組のドーピング疑惑③卒業後の成績不振

さらに、活躍していた選手たちがエテリ組を卒業した後に思うように成績を残すことが出来ていないという点もドーピング疑惑を高める理由になっています。

高い指導力の一方で10代前半から活躍した選手が伸び悩むなどの現実もあり、批判的な声も少なくない。

(引用:THE ANSWER)

エテリ組を卒業してからの選手たちの成績が伸び悩む傾向にあることもエテリ組にいる間はドーピングをしていたから強かったという根拠を強めている原因の1つです。

エテリ組のドーピング疑惑④異常な強さ

エテリ組のドーピング疑惑の3つ目とも関係しますが、エテリ組の若手選手が異常な強さを持っているというのもドーピング疑惑を持たれている理由です。

食事制限やマインドコントロールなど、精神面から鍛え上げるエテリコーチの指導法が凄いという方もいますが、何か裏があるのではないか?と思われるほどのパフォーマンスをするため、薬での効果なのではないかと思われています。

エテリ組のドーピング疑惑⑤ドーピングを認める発言

そして極め付けは、ロシアの選手がドーピングをしていることを認める発言をしていることです。

正しいドーピングをしているという認識を持っている選手がいるということは、医療目的以外の不適切な理由で何かしらの薬を使用していることを認めていることになります。

さらに、アナスタシア・シャボトワ選手は、サンボ70でのドーピングの事実を認めた発言をしていたことがあるそうなので、エテリ組でのドーピングは暗黙の了解というところなのだと思われます。

では、過去にドーピング検査で陽性となったエテリ組の選手は誰なのでしょうか?

エテリ組の過去のドーピング選手は誰?

エテリ・トゥトベリーゼ監督が過去から現在までに指導をしてきた選手の一覧がこちらになります。

メダル争いに加わり、大会でも成績を残していた有名な選手は太文字で書かれています。

エテリの現指導選手

  • モリス・クヴィテラシヴィリ(2009年 - )
  • エフゲニア・メドベージェワ(2007年 – 2018年、2020年 – )
  • アンナ・シェルバコワ(2013年 – )
  • アリーナ・ザギトワ(2015年 – )
  • ダニエル・サムソノフ(2016年 – )
  • アレクサンドラ・トゥルソワ(2016年 – 2020年、2021年 – )
  • マイア・フロミフ(2017年 – )
  • ソフィア・アカチエワ(2017年 – )
  • アリョーナ・コストルナヤ(2017年 – 2020年、 2021年 – )
  • カミラ・ワリエワ(2018年 – )
  • ダリア・ウサチョワ(2018年 – )
  • アリョーナ・カニシェワ(2019年 – )

エテリの元指導選手

  • ポリーナ・コロベイニコワ(1999年 – 2000年)
  • ポリーナ・シェレペン(2000年 -2012年)
  • ユリア・リプニツカヤ(2009年 – 2015年)
  • アディアン・ピトキーエフ(2010年 – 2016年)
  • アレクセイ・エロホフ(2011年 – 2020年
  • エリザヴェート・トゥルシンバエワ(2012年 – 2013年、2018年 – 2021年)
  • セルゲイ・ボロノフ(2013年 – 2016年)
  • ポリーナ・ツルスカヤ(2013年 – 2018年)
  • セラフィマ・サハノヴィッチ(2014年 – 2015年)
  • イリヤ・スキルダ(2014年 – 2018年)
  • ダリア・パネンコワ(2016年 – 2018年)
  • アナスタシア・タラカノワ(2017年 – 2018年)
  • ベロニカ・ジリナ (2018年 – 2020年)

エテリ組の選手の中で、ワリエワ選手より前にドーピングが発覚した選手がいるそうですが、どの選手が過去にドーピング検査で陽性反応が出てしまったのかは現在情報を調査中です。

わかっているのこととしては、2018年に平昌オリンピックで金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手が、試合直前に長時間にわたるドーピング検査を受けていたということです。

さらに、2019年の世界選手権女子でもドーピング検査に捕まり、禁止薬物使用の疑惑をかけられていたことがわかっています。

ワリエワ選手の使用していた禁止薬物について詳しい内容はこちら↓

▶︎ワリエワの心臓病はドーピングのための嘘?薬の成分や効果は?

なぜ、ロシア選手はドーピング検査が厳しいのか?

そもそも、ロシアという国はドーピングが蔓延しているとして有名です。

2019年にロシアのドーピング検査データに多数の改ざんがあったことが原因で、ロシア選手団はスポーツ仲裁裁判所(CAS)によって2020年から2022年12月までの2年間、五輪などへの参加を禁じられています。

また、WADAからもロシア選手団の主要大会への参加を4年間禁じられています。

2021年の東京オリンピックでも、ロシア選手は団体としての参加はありませんでした。

WADAは19年、ロシアのドーピング検査データに多数の改ざんがあったなどとして、ロシア選手団の主要大会への参加を4年間禁じると発表した。

スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、組織的なドーピングがあったとして、ロシア選手団の東京五輪・パラリンピックなどへの参加を認めないとの判断を下した。

(引用:日本経済新聞)

過去にもドーピングをしていたという事実があり、ロシアという国自体のドーピングが違法行為であるということに関しての認識が甘いことが分かっているため、このような対応をしているのです。

北京オリンピックでもロシアの選手であるワリエワ選手に対して、異常なほどしつこいドーピング検査が行われたのはそのためでしょう。

過去にドーピングで違反していたという一度ついたメージは簡単には変わりませんし、ロシアのドーピングに対する意識も悪い行為であるという認識に変えるのは簡単ではないのかもしれませんね。

ワリエワ選手が何も知らされずに薬を服用していたのであれば、今後の選手生命に傷がつく形となってしまい気の毒としか言いようがありません。

コーチ陣や関係者からのコメントやいち早く真相の追求が行われることを願っています。